華南のPM2.5-19

ゴミ焼却には、いろいろな工程が有り工程毎に、検討する必要が出て来る。先ずはゴミを焼却するための工程について考察してみる。

焼却炉の種類

(1)ストーカ式燃焼炉

 ごみを火格子(ストーカ)の上で移動させながら、ストーカ下部より送り込んだ燃焼空気によって焼却する焼却炉である。処理プロセスは、「乾燥」(ごみに含まれる水分を減らして燃焼しやすくする)、「燃焼」(ごみを焼却して減容化する)、「後燃焼」(燃え残ったごみを完全に焼却する)の3過程で構成される。ストーカの形状やごみの移動方式によっていくつか種類がある。
 図2は、並列揺動式のストーカ炉の模式図である。同方式では、ごみの進行方向に沿って、可動ストーカの縦列と固定ストーカの縦列とが交互に並んでおり、可動ストーカが振動(揺動)ことにより、ストーカ上のごみを順次内部に送りこみながら焼却を行う。

(2)流動床式焼却炉

 ごみを流動床式焼却炉(充填した砂に空気を吹き込んで砂を流動状態にした炉)に投入して、燃焼熱を利用して可燃物を熱分解する焼却炉である(図3)。近年、流動床式焼却炉は、ガス化溶融炉に採用される事例が多い(流動床式ガス化溶融炉の技術解説は、「ガス化溶融」の解説を参照のこと)。また、流動床式焼却炉は竪型炉であることから、省スペース化を図ることができる。

3)キルン式焼却炉

 キルン(回転ドラム)内に破砕したごみをいれ、約450℃の空気のない状態で蒸し焼きにし、熱分解ガスと熱分解カーボンとに分解する焼却炉である(図4)。ガス化溶融の前処理として採用されており、その場合、熱分解カーボンは、キルン内で発生した熱分解ガスを利用して、1300℃の高温で溶融スラグ化される(詳細は、「ガス化溶融」の解説を参照のこと)。

(4)熱分解ガス化炉・ガス化溶融炉
 ごみを約450~600℃の低酸素状態で熱分解し、生成した可燃性ガスとチャー(炭状の未燃物)をさらに高温(1200~1300℃以上)で燃焼させ、その燃焼熱で灰分・不燃物等を溶融する技術である。近年、ダイオキシン対策として採用される事例が増えている。
 ストーカ式などの廃棄物焼却施設においては、処理残さである焼却灰を資源化する場合、そのための焼却残さ溶融施設等を併設して処理する必要があるのに対し、ガス化溶融施設は、一つのプロセスでこの機能を達成できる特徴がある(詳細は、「ガス化溶融」の解説を参照のこと)。

(5)直接溶融炉
 可燃ごみだけでなく、不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋め立てごみ、フロンなど、資源リサイクル後の幅広いごみを一括溶融・資源化する焼却施設である。ごみの乾燥、熱分解、溶融の過程全てを、ガス化溶融炉で行うことができるという特徴がある。生成する可燃性ガスは後段の燃焼室で燃焼されるため、ごみを燃焼しやすくするための仕組みが必要であり、その方式によっていくつか種類がある。具体的には、溶融熱源としてコークスやプラズマトーチを採用する方式や、純酸素を吹き込むことで燃焼しやすくしたりする方式である。図5の例では、コークスを使用している。

(6)灰溶融炉
 (1)から(3)で紹介した焼却炉で発生する焼却灰を、溶融・減容化するための施設である。焼却灰を1300℃以上で溶かし、これを固めてスラグにする処理を行う。スラグはコンクリート原料等として使用できる。近年、最終処分場容量のひっ迫問題や、それに伴うごみ資源化の必要性、最終処分場からの有害物質の溶出問題等の諸問題を解決するための手段として採用される事例が増加している。
 溶融の方法によって、電気方式、バーナ方式、自己燃焼溶融方式、副資材方式、焼成炉などに分類される。図6は、プラズマ式灰溶融炉の例である。プラズマトーチ(陽極)と、炉底電極(陰極)間に高電圧をかけ、そこに作動ガス(空気など)を噴出することでプラズマアーク(電離した気体で、電気を通す)を発生させる。このプラズマアークの高温の熱と、電流がスラグ中を流れるときに発生する電気抵抗熱(ジュール熱)により、溶融処理を行う。
 

以上の焼却形式があるが、この中で(1)(3)は最も一般的で実動機も多い。
(2)は前工程が必要で、中国には適していないだろう。

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